期間
修復 |
全4期(予定) |
準備期間 |
2019年4月~2020年7月 |
第1期 |
2020年10月~2021年9月[1年]1本 【三菱財団助成】 |
*現在、コロナ感染拡大の影響を受け、第2期以降は一旦中止。再開は未定。
事業結果報告書
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調査研究・修復
修復資料 R-d-32《最後の審判》
調査研究・修復
修復の前後
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修復前
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修復後
修復工程
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調査(損傷図面作成)および採寸
通常光、透過光、赤外線、紫外線を用いて全体の写真撮影を行う
さらに損傷部分の写真を撮影し、損傷箇所の確認と記録のために損傷図面を作成する
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ドライクリーニング
筆とミュージアムクリーナー(資料に適した小型掃除機)で埃を除去
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解体
表木と軸木を取り外す
解体(動画)
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総裏紙、中裏紙の除去
本紙の裏に貼り付けられた裏打ち紙のうち、外側から総裏紙、中裏紙の2層を取り除く
同時に本紙と裂の継ぎ目に施された筋裂を除去し、本紙から裂を取り外す
総裏紙、中裏紙除去(動画)
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絵具の点検および剥落止め
彩色された部分に湿らせた吸い取り紙を置き、絵具の粒子が付着するかどうかを確認する
本資料の場合、下部の朱色の絵具に剥落の可能性があったため、2回の剥落止め処置を行った
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ウェットクリーニング
本紙および裂の表面からイオン交換水(不純物を取り除いた水)を噴霧し、下に敷いた吸い取り紙に汚れを吸収させる
作品の状態を観察しながら洗浄作業を繰り返す
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表打ち
本紙表面からレーヨン紙などを貼り付け、本紙表面の保護と紙片の固定をし、本紙を平らにする作業を行う
今回は厚さの異なる2種類のレーヨン紙とポリプロピレン主体の紙を用いて、合計4層の表打ちを行った
表打ち・前編(動画) 表打ち・後編(動画)
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肌裏紙の除去
本紙裏に貼り付けられた肌裏紙を除去する
本紙裏面からイオン交換水を用いて水分を与え、表打ちの紙が外れないように調整しながら作業を行った
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本紙の補修
本紙の基調色に合わせてアクリル絵具で染色した紙を、補修が必要な箇所に合わせて成型し、本紙裏側から貼り付ける
本資料は紙質検査に基づき、補修紙に宣氏(青檀と稲藁が原料の紙)を用いた
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本紙表打ちの除去および肌裏打ち
4層の表打ち紙のうち、先に外側3層を取り除く
イオン交換水を十分に噴霧し、表打ちの際に使用した糊を紙で吸い取り除去する
本紙の色調に合わせて染色した薄美濃紙を本紙裏に貼り付ける(肌裏打ち)
肌裏打ちを行ったあと、残しておいた1層目の表打ち紙を除去する
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表装裂のクリーニングおよび肌裏打ち
裂に施された旧肌裏紙を除去し、新たに肌裏打ちを行う
本資料の裂には部分的に酢酸ビニル系接着剤が付着しており、その部分を削り取った
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本紙と表装裂の増裏打ち
美栖紙を本紙と裂の裏面に貼り付ける
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折伏せ
本紙や裂の強く折れが生じている箇所、折れが懸念される箇所に、裏面から紙帯を貼り付けて補強する
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補彩
本紙の補修で当てた補修紙を、本紙の地色に合わせて補彩する
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付け廻し
本紙と裂を小麦澱粉糊でつなぎ合わせ、掛軸装にする
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中裏打ち
美栖紙を本紙・裂の裏面に貼り付ける
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表装裂の補修
裂の色調に合わせて染色し裏打ちを施した補修絹を、裂の損傷箇所に合わせて成型し、裂の表面からはめ込む
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耳折り
ほつれを防ぐために糊止めを施した裂の左右の端を、裏側に3~5mmほど折り返す
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総裏打ち
上巻絹と宇陀紙を本紙・裂の裏側に貼り付ける
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仮張り(表張り、裏張り)
本紙・裂を裏面から湿らせ、表面が外を向くように仮張り板に張り込んで乾燥させる
一定期間乾燥させたあと、板から外し裏刷り(掛軸を巻きやすくするための作業)を行う
次に本紙表面を内側にして仮張り板に張り込み、再び乾燥させる
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仕立て
仮張り板から本紙・裂を外し、表木と軸木を取り付ける
本資料の表木には掛緒と巻緒を取り付ける
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